スプレッドシートからTMSへの移行は、特定顧客の注文など、現在の業務の一部を限定して開始することをおすすめします。該当する運行に必要なデータを準備し、最新情報をチーム内のどこで管理するかを取り決めた上で、受託から配達完了書類の処理まで一連の業務をテストします。現場の担当者と成果を確認した後に、適用範囲を拡大していきましょう。
スプレッドシート運用の限界を見極める
スプレッドシートは柔軟な運用が可能です。列を追加したり、項目名を変更したり、チームのやり方に合わせて案件を並べ替えたりできます。情報が常に最新に保たれ、誰もが必要なデータをすぐ見つけられるのであれば、保有車両数が増えたことだけを理由に乗り換える必要はありません。
問題は、ファイルの「外」でどれほどの業務が発生しているかです。配車担当者が配送状況の確認のために電話をかけ続けたり、書類が複数の場所にばらばらに届いたりしていないでしょうか。同僚のシフトを代行する際、事前の取り決めを確認するために質問しなければ業務を完了できない状況もあるかもしれません。
まずは自社の実務で起きている具体的な課題をいくつか書き出してみてください。これらがTMSの試用期間中に検証すべき具体的なチェック項目となります。たとえば「前の担当者に電話で確認しなくても、次の配車担当者が注文ステータスや書類をすぐに確認できること」などを目標に設定すると効果的です。
最初の移行案件に必要なデータを準備する
扱い慣れている荷主や運行ルートを1つ選定します。その業務に必要な取引先、車両、ドライバー(従業員)のマスターデータを準備しましょう。重複登録や車両登録番号、連絡先情報に不備がないかを事前に確認した上で、新しいシステムへ登録します。
過去の全データを一度に移行する必要はありません。未払いの請求書や未解決の案件、レポート作成などに依然として必要な過去の記録を特定し、それらだけを移行計画に含めてください。
それ以外のファイルは、整理されたアーカイブとして保管しておけば十分です。変更を加える前に必ずバックアップを取り、指定の注文とその添付書類をいつでも取り出せる状態になっているか確認してください。裏付け書類にチームがアクセスできなくなってしまっては、スプレッドシートだけを残していても意味がありません。
注文の「最新情報」を管理する場所を統一する
試用期間中、移行対象以外の案件については既存のツールを使い続けて構いません。ただし、対象として選んだ案件に関しては、最新ステータスや指示変更を記録する場所を必ず一箇所に決めてください。そうしないと、スプレッドシートとTMSの間で情報の食い違いが生じてしまいます。
一定期間並行運用して二重に記録を残す場合は、データの整合性を確認する担当者を決め、二重入力を終了する期限を設定してください。また、2つのツールからドライバーや荷主に対して矛盾する連絡が届かないよう注意を払う必要があります。
配車担当とドライバーで一連の運行案件をテストする
日常業務で頻繁に行う手順が含まれる運行案件を1件選んでテストします。ドライバーの割り当て、ルート詳細の送信、運行ステータスの更新を確認してください。配達完了後は、関連書類を検索し、請求担当者が必要な情報を揃えられているか確認します。
ドライバーには、普段実際に使っているスマートフォンで操作を担当してもらいます。ログイン手順、運行指示の見やすさ、写真の添付しやすさを観察してください。電波状態が悪い場所では、どの情報がオフラインのまま参照可能か、どの更新データが送信保留になり、配車担当側では更新が届いたことがどうわかるかを確認します。
操作に迷ったりミスが発生したりした箇所を記録しておきます。設定変更で解決する問題もあれば、簡単な手順説明や業務プロセスの見直しが必要なものもあります。問題に直面した当事者に、修正後の動作を必ず再確認してもらいましょう。
契約前に費用とデータアクセス権を確認する
試用期間の費用はベンダーの利用規約によって異なります。利用期間や付与枠、試用終了後の扱いを確認してください。想定されるユーザー数や車両台数、必要な機能をもとに料金を試算します。
解約後のデータエクスポートや書類へのアクセス権についても事前に問い合わせておきましょう。可能であればサンプルのエクスポートを実行し、中身を検証します。業務を問題なく継続するために必要な情報をどのように取り出せるか、チーム内で把握しておく必要があります。
結果を検証したうえで利用範囲を拡大する
試用開始前に記録した課題を振り返ります。引き継ぎ業務はスムーズになったでしょうか。案件に紐づく書類をすぐに探し出せるでしょうか。手作業での転記がまだ残っている作業はどれでしょうか。
試用がうまくいったら、次に移行する業務範囲を選びます。過去のファイルを参照用として残しつつ、その業務の更新をTMS上だけで行う切り替え日を設定してください。移行スケジュールはデータの整理状況や変更範囲、チームの稼働状況によって左右されます。どの会社にも共通する一律の日数というものはありません。
このような試用におけるLiteTMSの活用
LiteTMSなら、レコードごとの追加課金なしで、運行案件や取引先を無制限に登録できます。LiteTMS Driverは、割り当てられた運行案件の管理、ステータス更新、書類のアップロードに対応しています。最新情報の取得やオフィスへの変更通知の送信にはインターネット接続が必要です。
AI Builderを使用すると、カスタムフォームや台帳を自由に作成できます。現在スプレッドシートの追加列で管理している項目を、そのまま網羅できるか確認してみてください。
LiteTMSには初期費用や最低契約期間の縛りはありません。ただし、試用中であっても有料のリソースやサービス、モジュールが含まれる場合があるため、有効化する前に管理パネル内の利用条件をご確認ください。請求の内訳については、当社の料金体系に関する記事で詳しく解説しています。
よくある質問
- 中小の運送会社がスプレッドシートからTMSへ移行すべきタイミングはいつですか?
- 最新情報の共有や他の担当者への引き継ぎが難しくなってきたら、試用をご検討ください。書類の検索など、具体的な課題を絞り込み、TMSによってそれらが解決できるかをテストしてみましょう。
- 過去の運行データをすべて移行する必要がありますか?
- 日常業務や照合作業にどの記録がまだ必要かによって異なります。過去データは整理してアーカイブとして保管しつつ、未解決の案件だけを含めて進行中の案件からTMSで運用を始めることも可能です。
- TMSへの移行にはどのくらいの期間がかかりますか?
- データの準備状況、関係する人数、変更する業務の範囲によって期間は異なります。配車担当とドライバーが一部の運行案件で一連の流れをテストしたうえで、拡大するタイミングを判断してください。
- スプレッドシートと並行してTMSをテストできますか?
- はい、可能です。試用の対象範囲を定め、対象となる案件の最新情報をどちらに記録するかを取り決めておきます。両方に記録を残す場合は、データの突き合わせ担当者を決め、二重入力を終了する期日を設定してください。
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